今回は、デジタルトランスフォーメーションに関する本の紹介です。藤井保文、尾原和啓著「アフターデジタル」の概要、おすすめする理由を述べます。
1.きっかけ
前回に引き続き、投稿「トヨタ生産方式」を含め5冊の本を紹介していた、「ものづくり太郎」さんのyoutube投稿を見て本を手に取りました。マネージャーが知っているべき内容(だけど、ほとんどの人が読んでいない)。
きっかけとなったyoutube投稿は、下記のリンクを参照してください。
●ものづくり太郎チャンネル
「ものづくり」や「ビジネス俯瞰」に強くなるド定番著書を紹介させていただきます‼
https://youtu.be/IiFv0ugEVvk?si=vpBd5H4Esp-AkK6q
2.なぜ読んだほうがよいのか
・筆者らはオフラインがなくなる世界を「アフターデジタル」と呼んでいる。その世界を理解し、その世界で生き残る術を中国、エストニアビジネスの実際をもとに、本書で解説している。
・2020年に出版された本であり、比較的新しいトレンド。また、読みやすい内容。
3.概要
第1章 知らずには生き残れない、デジタル化する世界の本質
・消費者のあらゆる行動が、オンライン/オフライン上でデータとして取れるようになった。
・膨大な購買データを持っている企業は製品とユーザーエクスペリエンスを高速で改善することができ、ユーザーに与える価値が増える。
・企業とユーザーはよりWin-Winの関係を築くことができる。そのため、さらに多くのユーザーを獲得できる。
実際に中国でビジネスを展開している筆者の体験をもとに、上記について述べています。日本よりもオンラインとのつながりが深いユーザーに対し、どんな企業が活躍しているのかが分かります。
日本はデジタルに関してかなり遅れていると危機感を持ちました。
第2章 アフターデジタル時代のOMO型ビジネス~必要な視点転換~
・「デジタルトランスフォーメーション」は、社会インフラやビジネスの基盤がデジタルに変容することを指している。私たちの視点もそれに合わせて変えていかないといけない。
・ユーザーはその時一番便利な方法を選びたいだけ。OMOはユーザーから見たら、オンラインとオフラインが融合している方が便利という考え方。
※OMO(Online Merge Offline)オンラインとオフラインが融合した社会そのもの。
・ユーザーデータをつかめている企業は、どこで・どんなユーザーが・どんな生活をしているかを理解できている。つまり、店を出展する前に儲かるかが把握できている。
・逆に、全てのデータがデジタルになっていないと価値がない。
企業活動の全てをデジタル化しつながっていることが、アフターデジタルで生きる前提条件だと感じました。
第3章 アフターデジタル事例による思考訓練
・SNSなどで誰もが発信できる時代は、人に教えたくなるような体験に価値がある。
・デジタルによって、余計な作業がなくなり空き時間が増える。
・デジタルによって、ユーザーの困っていることに、正しいタイミングで適切なサポートができる。ずっと寄り添い、改善できる。
・ものづくりも高速化できるようになった。
ユーザーが体験する価値を、デジタルトランスフォーメーションによって生み出すことが企業に求められていると感じました。
そのために、ユーザーのデータをもとにいかに高速でPDCAを回すかという改善をする。仕組みを作れるスキルがビジネスパーソンに求められているのだと思います。
第4章 アフターデジタルを見据えた日本式ビジネス変革
①ユーザー体験の優良なデータを用い、高速でPDCAを回すこと。
②ユーザーに寄り添ったコミュニケーションをいつでもどこでも提供すること。
・①②を実現するために、どんな状況のユーザーに解決策を提示し、理想の状態になってもらうかを、企業全体で共有することが大事。
・ユーザー体験の改善とイノベーションの活動がある。まず重要なのは、改善がしっかりできていること。
・イノベーションを実行するにあたり、ユーザーの行動データを、一般のビジネスパーソンにも使いやすいように変換することが重要。
組織全体で共有するビジョンと、実行するためのチーム編成について事例をもとに述べられていました。やるなら徹底的に、組織横断的にやる。
4.さいごに
・デジタルトランスフォーメーションについて、現状とありたい姿のギャップを教えてくれた本でした。どの業界にいるビジネスパーソンにも、この本を手にとってほしいと思います。
・ビジョンが浸透し、行動するまでには適応課題もありますが、ビジョン達成に向けて推進したいと思いました。
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