今回は、ものづくりに携わるビジネスパーソンにとっての不朽の名作です。大野耐一著「トヨタ生産方式」を読んだ感想、おすすめする理由を述べます。
※転載禁止の内容のため、本の内容はウィキペディアに公開されている程度にとどめました。
1.きっかけ
経済産業省「ものづくり白書」では、デジタルに関する方針が年々具体的になっています。DX関連のインプットをしているなかで、発信者は「トヨタ生産方式」の考えをベースにしている方が多く、基本をおさえたい動機から本を手に取りました。
(参照)経済産業省「ものづくり白書」 2023年度版https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2023/index.html
2.なぜ読んだほうがよいのか
・TPS(トヨタ生産方式)を学ぶなら、この本から。
・少量多品種の生産方式を前提に、利益を最大化する方法と考え方が書かれている。
・IoTを導入する前に、まずは読んでほしい。導入する時の判断について、考えが述べられているから。
・トヨタ生産方式を分析し、アメリカで生まれたのがTOC理論(制約条件の理論)。本作の日本語翻訳を17年間許可しなかったほどのインパクトだった。
3.読んだ感想
必要のときに必要なだけ作る考えを、工場の生産現場・間接部門・サプライヤー含め浸透することが重要である。なぜ重要なのか、読んでいて何度も口酸っぱく教わりました。
本当に全員に浸透するには、理解して実践できるまで、筆者は抵抗にあいながら関係者とすりあわせて、やっと実現したのだと感じました。
また、顧客にとって必要なときに提供することがベースにあります。そのため、顧客に近い後工程から前工程への考えでシステムが組まれていました。
そのうえで何が必要で、何がムダなのかを判断し、徹底的にムダを排除する。そうして少量多品種の生産で利益をもたらす企業体質を作っていく。その手段として、「かんばん方式」「ジャストインタイム生産システム」が存在していることが理解できました。
自動化ではなく、「自働化」の考えも印象に残りました。「自働化」は、不良が発生した際に機械が自動的に停止し、後の工程へ良品のみを送るようにすること。不良品が流れない仕組みでないと、結局人員が減らせないので利益が上がらない。
ここはIoTやDXを推進するうえでも重要な考え方だと思います。ほったらかしでも良品を作れるように、人が知恵を絞って機械を改善することが大事。DX化になっても、人が中心となり改善を進めていくのだと理解できました。
youtube工場紹介では、ある設備は16時間無人運転で作業効率1.5倍を達成した事例もあります。これも自働化の考えだと感じました。
4.さいごに
「トヨタ生産方式」の考え方は、私の社会人生活のなかで上司、生産系のコンサルタントから指導されたことのベースにあったと感じました。
そのため、最先端の本をインプットする際には、「参考文献」の欄もチェックすることが大事だと思います。それは、早くベースにたどり着いたほうが、何かと行動の精度が上がるからです。
約2400ページの大作ですので、何回も読み返していきたいと思います。
下記、Amazonの販売サイトURLを記載します。
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