組織の変革は、トップや現場の一部の人だけが担うものではありません。むしろ、日々の業務を通じてメンバーと向き合い、意思決定を行うミドルマネージャーこそ、最も大きな影響力を持っています。
本記事では、安斎勇樹 (著)『冒険する組織のつくりかた』のエッセンスをもとに、ミドルマネージャーが楽しく学び、実践できるマネジメントのポイントをお伝えします。
👉 書籍の詳細はこちら:『冒険する組織のつくりかた』
1.はじめに
組織づくりとは、一人ひとりの「衝動」を起点にした探究の連続です。
本書は、組織がメンバーの内発的動機を尊重しながら成長し続けるための考え方を示しています。
ミドルマネージャーの行動でマネージャー自身とメンバーの変革を日常化し、組織と個人の探究を重ね合わせることで、冒険する組織を築くことができます。
私自身も、新任マネージャーとして試行錯誤する中で、「メンバーとどのように関係を築き、組織の成長につなげるか」を考え続けています。
このブログを通じて、ビジネスパーソンが楽に・楽しく考え、行動できるヒントを発信していきます。本書を読んで感じたことを交えながら、実践的なポイントをお伝えします。
2.冒険する組織をつくるための指針
1️⃣ 全員が自己実現をあきらめない組織にする
・本書では、自己実現を「内的動機(好奇心)に基づいて活動し、その活動が外的価値(社会貢献や報酬)につながる状態」と定義しています。
・また、組織の成長は、単なるスキル習得ではなく、仕事を通じてアイデンティティが変化し続けることだと提唱しています。
ミドルマネージャーができることは?
マネージャーがメンバーを知ることが、組織成長の第一歩です。
「何に好奇心があり、どんな価値を生み出しているか?」
これを深堀りして、組織の貢献につなげるための「対話」が必要です。
私が取り組んでいること
●業務の観察を通じて、メンバーの関心と課題がなにかを探る。
・何に没頭して取り組んでいるのか(want to)
・何がやりきれないと思っているのか(have to)
ここでは、ぼんやりと「こんな傾向があるかな」と捉えているくらいです。ミーティングで事実として挙げ、深堀りするきっかけになります。
●ミーティングでメンバーの考えとすり合わせて言語化する
定期ミーティングの中でテーマを挙げて対話の時間をとり、メンバーの思いを引き出し、チーム全体で共有します。
→結果、メンバーそれぞれのwant toとhave toが共有され、チームとしての衝動が生まれます。
徐々にですが探索したいテーマが増え、チームの熱量が増えたと感じています。
●マネージャー自身も自己実現をあきらめない
新任ミドルマネージャーは、
・プレイヤーから部下育成の役割へ変化する
・子育てや家庭の責任も増え、気力・体力が奪われる
といった課題に直面します。
本書では、これを 「ミドルエイジ・クライシス」 と表現しています。
新しい役割をどう受け止めるか?
・自己実現と組織貢献のバランスを取ることはジレンマですが、
「悩みながら進んだ道のり」自体が、メンバーにもプラスになるのです。
・実践例として、「マネージャーとしてやりたいこと」をA4一枚にまとめ、メンバーに共有。
→すると、「これならついて行きたい」と共感を得られ、関係性の質が高まったと感じました。
ミドルマネージャー自身が探求し続けることが、組織を冒険へと導くカギとなるのです。
2️⃣ 組織を支える環境をデザインする
組織の成長を促すために、ミドルマネージャーには「環境デザイン」という視点が求められます。
本書では、マネジメントの役割は、チームメンバーの内的動機や専門性を理解し、組織らしさとの結びつきを感じられる環境をつくることとされています。
具体的には、以下の要素が重要になります。
・業務や組織の仕組みの整備
・職場風土や組織文化の醸成と変化への適応
・変革を危機感ではなく、楽しさを原動力にする
本書では、変革を実現するための20個のカギが紹介されています。その中でも、ミドルマネージャーが楽しく組織変革を勧めるためのポイントを絞り紹介します。
ミドルマネージャーが楽しんで組織変革していくには?
組織変革は、上からの指示や危機感だけで進めるものではありません。
むしろ、マネージャー自身が学び、つながり、共感を生み出すことで、自然と組織が変わっていくものだと考えます。
変革を促す3つのポイント
●自分自身が学び手として振る舞い、行動する姿をメンバーに見せる。
・マネージャーが「学び続ける」姿勢を示すことで、メンバーも新しいことに挑戦しやすくなる。
・例えば、新しいプロジェクトや技術に興味を持ち、実際に手を動かしてみる。
●チームの外にじわじわとつながりをつくり、社内外のネットワークを活用する。
・部門を超えたつながりを持つことで、新たな視点やアイデアを得られる。
・社内の勉強会や他社との交流を通じて、自分のチームだけでは得られない知見を活かす。
●「私」を主語にしてメンバーに語り、共感を生み出すコミュニケーションをとる。
・「会社の方針だから」ではなく、「私はこう考える」「私が大事にしたいこと」と語る。
・共感を生むことで、メンバーが主体的に行動するきっかけになる。
社内勉強会が変革の起点になる
これらの要素を取り入れた活動の一例が、社内勉強会です。
ここでいう勉強会は、単なる教本の読み合わせではなく、
・会社の新たな可能性を探る場
・参加者が熱量を持って学び合うコミュニティ
→取り組めるテーマ設定が重要です。
・対話を通じて相互に学びを深め合う場
といった特徴を持っています。
私の会社でも、社内勉強会がチームを超えた相互理解の場として機能しています。
特に、得た学びを言語化し、メンバーに投げかけることで、
「今まで気づかなかった新しい可能性」に出会えることが多いと感じています。
また、活動を社外に広げることの効果も大きいです。
・社内外のネットワークが広がる(異業種交流・他社事例の学び)
・外部の視点を取り入れることで、組織文化に変化をもたらす
例えば、研究職であれば共同研究が、営業職であれば同業種の交流会が、こうした勉強会に該当すると思います。
私も今まで足を踏み込まなかった業界の集まりに参加するのはものすごく抵抗がありました。
しかし、得られるメリット(新たな視点を手に入れること)と、失うデメリット(初対面の人に相手されない”一時の”恥かしさ)を比べるともっと早く飛び込んだほうがよかったと思います。ぜひ、みなさんも挑戦してみてください。
3.おわりに
組織変化は難しいものととらえがちですが、変革は日常の中にあるものです。
今日の小さな対話で得た学びが対話によりメンバーに伝わり、10年後の組織変革につながるかもしれません。
まずは、身近なメンバーと「何を探求していきたいか」話してみることから始めていきましょう。
本書には、具体的な実践のヒントが詰まっています。ぜひ手にとって、日々の業務の中で活かしてみてください。
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