どうすれば、学びを現場に持ち込めるのだろうか

Uncategorized

 今回は、ビジネスパーソンとしてをまとめました。  小林 祐児 (著) リスキリングは経営課題~日本企業の「学びとキャリア」考~ (光文社新書)の著書を参考にしました。

Screenshot

1.きっかけ

 DXが話題になってから「リスキリング」の言葉をよく耳にします。

 そして、ビジネスパーソンは今までのやり方を捨て、DXによって効率改善しイノベーションを起こしていこう!!という号令のもと研修を受けさせられているのではないでしょうか。
 
 コロナ禍以降、筆者も社内研修会の頻度が増え、少しずつ学びのなかで気付きがあり、変化を感じています。
 
 今回は、そんな気付きが何なのかを教えてくれた本になります。

2.概要

1.リスキリングとは何か

  リスキリングは新しいスキルを獲得し、他者との相互関係の中で創発的な営みを起こすことです。仕事の変化に適応するための「ジョブ・チェンジ」や「転職」への意識が明確にある学びです。
  似た言葉で「リカレント」があり、企業以外の教育機関での学び直し教育になります。

 リスキリングは、学び+行動でイノベーションを起こすことだと考えます。

2.日本のリスキリングの課題

 日本は先進国の中でもGDPにおける人材投資の規模が極めて小さい国です。
世界中でDXの波が起こり、ビジネスパーソンのリスキリングの必要性が叫ばれているのに、企業の人への投資が全く伸びていません。

 従来の日本の教育体系=「工場モデル」の欠点は、スキルを獲得すれば自然にスキル発揮するだろうととらえてしまい、スキルを発揮する対策を考えられていません。

 リスキリングにおいても、企業にとって重要なのは「行動」です。

 行動を起こすには、学ぶ動機づけ(本著では、炭に火をつけると表現されています。)と、人間関係のネットワーク構築を組織がデザインすることが重要です。

3.日本人は海外と比べ、学ばない

 日本人は、海外のビジネスパーソンと比べて「なんとなく」学んでいません。

 その要因の1つに、日本のキャリアは平等に・競争主義的に昇進候補者を決めるやり方をとっています。たとえ能力・スキルがあろうと賃金、役職は入社後から約20年は一定です。
 会社は個人に対し依存させるようなアプローチをかけてきます。

 さらに、入社後20年経過した頃から急にマネージャーとしての主体的な学び、自律的なキャリア形成などを求めはじめます。
 会社は、個の力へ過剰な期待をかけてきます。

 一方、海外では職業資格(職業能力を具体的に評価するための物差し)が発展しています。何歳だろうと個人が実力を示せば会社は評価に反映されます。

4.学びによる仕事への変化を抑制するメカニズム

 職場のメンバーがお互いを助け合うことで相互に依存するようになり、仕事への変化を抑制してしまいます。

 結果、組織も個人も行動を変化しようとしなくなり、変化を起こさないことが当たり前の職場になってしまいます。
 この状態を、「変化抑制意識」といいます。

 リスキリングは、まだ予想できない将来への変化にも対応できる自己効力感=「変化適応力」をつけることが重要だと述べています。
 変化適応力は①目標達成志向 ②新しいことへの挑戦や学びの意欲 ③興味関心の範囲を広げていくことで力がつきます。

 「組織が変わることを目指している」ことを、組織のメンバー全員が共有している状態にするにはどうすれば良いか。このための仕掛けや仕組みづくりが課題です。

 解決策の一つとして、キャリアカウンセリングによる対話が挙げられます。変化適応力は、自分の仕事やキャリアについて他人に自己開示し相談する経験を持つ人ほど高いそうです。

 対話は聞き手が重要とも述べています。話し手本人が0から1を生み出させるためにどのように引き出すかがポイントです。

5.リスキリングを支える3つの学び

①アンラーニング・・・これまでの仕事に関する知識・スキル・考え方を捨て、新しいものに変えること。 

 阻害要因は、現在の中途半端な成功体験(まあまあ良い人事評価を受けるなど)。仕事に慣れてくるとアンラーニングをしなくなる傾向があります。
 配属後3年でジョブローテーションするなどの措置がとられているのは、アンラーニングを促進するためなのだと考えます。

 アンラーニングには、限界認知(これまで通りのやり方を続けても、成果や影響につながらないという自身の仕事の限界を感じること)が効果的と言われています。
 修羅場の経験、アウェイの環境でのプロジェクト、新規の企画提案などで伸びるそうです。

②ソーシャルラーニング・・・他者を積極的に巻き込みながらともに学んでいくこと。

 学びのモチベーションは、交流範囲の広さや自社について他者に話す機会の多さによって上がりやすくなります。また、他者との関わりによって内発的動機づけ(自分の中の炭火に火を起こす)が起こる効果が得られます。そのために、組織が他者との関係や、関係構築のための環境デザインを行うのは効果的だと述べています。

③ラーニングブリッジ・・学んだこと同士や、学びと仕事を結びつけること

 新しい価値創出には、つながっていないネットワーク同士(弱い絆)をつなげることが効果的です。ただし、弱い絆のみではどこでも活躍できる人にはなれません。

 一方、仲間同士のつながりは信頼や助け合いを強めますが、知識を共有するべきだという規範的なつながりも濃くなります。

 どちらのつながりもバランスをとることが、リスキリングにとって重要です。
 日本人にとっては企業の外と弱い絆を作るのが苦手なので、初対面の人でも信頼することに重きを持ったほうが良い結果を生みます。

6.さいごに

 日本のビジネスパーソンは「学ばない」「変わらない」ことが絡み合い、リスキリングを抑制していることがわかりました。

 解決策としては「対話」が重要であり、組織が対話しやすい場をデザインすることで、個人のキャリアへの意思を創発できる(イノベーションのような行動)。
 
 ただし、これだけやってもビジネスパーソン全員が変化を起こせるようにはなりません。ビジネスパーソンは20代新人、40代ミドル、60代、などの年代、職種など、置かれた環境が様々なので。

 私(はたらきグマ)としては、行動を変えるためにインプットし、他者からの客観的な意見(ときには厳しいコメントもありますが・・・)を取り入れつつも行動していきます。
 そのために、アウトプットの場としてブログを始めました。
 
 アウトプットは、職場・社会の問題解決に活かせるよう行動し、変化を楽しめるようにつなげたいと考えています。

 読者や、職場・ステークホルダーとのソーシャルラーニング(今回学んだ言葉です)になるようこれからも行動していきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました